幸運


それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)
それからはスープのことばかり考えて暮らした / 吉田篤弘





ちょっと長いけど引用。

 「幸運」というのは気づかぬうちに皆に等しく配給されていて、普通はそれを「幸運」と気づかぬまま、ちびちび使ってしまう。それが正しい「幸運」の使い方で、それをうっかり使いすぎると、バランスが崩れて日々の「幸運」に強弱のムラができてしまう。

 たとえば、誰かと待ち合わせをして急いでいるとき、待ち合わせ場所に向かう電車が駅で待つまでもなくすぐにやって来た。これはちょっとした「幸運」ではあるけれど、自分かそこで「ちょっとした幸運」を自覚した分、必ずあとになって「ちょっとした不運」に見舞われることになる。〜中略〜 しかし、それはあくまで「ちょっとした」ことで、気にならない人はバランスの乱れに気づくこともない。


これ読んで目にうろこでした。
感動したので、家人に、「幸運というのは、自覚しないでちびちび使うのがいいんだって。自覚していると、その分、バランスが悪くなったりするんだって。クラフト・エヴィングの人が言ってたよ。」と言ってみた。でも「(゚Д゚)ハァ〜?」って感じであんまり伝わってない感じだった。もっかい書いてみる。