宮本くん

定本 宮本から君へ 1

定本 宮本から君へ 1

絶版になってたんだ、これ。宮本くんていえばなんか、同期でダチみたいな気がしてた。復刻されたんで読んでみた。ほとんどリアルタイムで読んでるな。当時モーニングってとにかく熱いマンガばっかりだった気がする。
今読むと、同期の人数が多くてつるんだり、年の近い先輩がいたりというのが、時代を感じさせる(つまり毎年毎年、同じ部署に複数の新人が入ってきたってことで)。あと、バブル期の合コンの浮ついたかんじとか。それから、当時はちょっとできる人は30前に独立するとかって流行ってたな。中野靖子と自転車で検問突破するところは当時好きだった。あと、笑え宮本ってのは結構長く自分のテーマだった気がする。

定本 宮本から君へ 2

定本 宮本から君へ 2

真夏の暑いときでもネクタイして上着持って、トランク持ってっていうのとか(当時はクールビズってないから)、入院している宮本に神保がネクタイを贈るのとか、ちょっと今見るといいと思う。そういうのにシンボライズされた何かが。
取引先に物を贈る益戸と、入札なのだから公正にやりたい宮本と、今思うと日本の商習慣が、欧米の合理主義にまさに敗れていく瞬間だと見えなくもない。ちょうどバブルの終わりに。どちらが良い悪いではないんだけどね。社会に入ったばかりの宮本は、それまで欧米的な価値観を身につけていたし、益戸はそれはわかっていつつも、とにかく既存の社会の価値観に染まることを選んだし。多分同時期に社会に出た人はみんな宮本であり、益戸だったんじゃないかな。
意地を張り続けるとどうにかなっていくものなのかな。宮本が万能みたくなっていった頃、多分モーニングを買うのをやめたと思う。だから、この後宮本がどうなるのか知らない。