なるようになる(のか?)

王国〈その3〉ひみつの花園 (新潮文庫)


王国〈その3〉ひみつの花園 / よしもとばなな








王国シリーズの第三弾。


時制がちょっとわかりにくいかな。基本 雫石の一人称なんだけど、その当時の雫石が語っているのか、現在の雫石が過去を振り返って語っているのか混在してて。それで、いろいろ考えて自分を誤魔化しても避けられない別れってあるものだと思うけど、自分の直感が全てっていうのもまた、違うんだと思うんですよ。人が一緒に歩いていくのって、人も変わるし自分も変わるので、結局その時の自分の感覚ほど怪しいものもないって思っています。


それを思うと、雫石は自分を信用しすぎているというか、この系統の人特有の傲慢さがあると思った。


でもその後、雫石は、この恋愛が依存から出発していて、どこにも行き着かないということを自覚して、別れるのは必然ってことになるので、そうかと思った。


ところで自分の中での、真一郎くんのビジュアルイメージって、「ひまわりっ」の健一2号だったりする。高橋くんのお母さんと一緒になるって、でもそんなおろかな人なんじゃなくて、ちょっとぼけてるだけなんじゃないかなあ。まあみんな幸せになるといいなあ。


そういうふうに思った。


ところで最近コンビニで会計時に、チャージして使うカードのしつこい勧誘にあった。いやいりませんと言っても、いやすぐ元がとれてお得ですからと延々と繰り返されて、この話の通じなさはと、この話の不動産屋の件を思い出したのだった。そうして、それじゃあ、こうこうこう理由で自分にとって金銭的に損なんですというふうに言えれば、案外納得してもらえたのかもなあと思った。多分、カードの原価がかかっている分、売値に乗せてるので、ポイントで元がとれた気になっても、カードを使う人が増える程、損するはずだよねえ。
そんなことを思ったのは後の話。しばらくあの店に行くのはやめよう。