原発とプルトニウム

原発とプルトニウム (PHPサイエンス・ワールド新書)
原発プルトニウム / 常石 敬一





と、なんだかすごいタイトルですが、本のあたま9割くらいはおとなしい科学史です。それこそキュリー夫人の牧歌的なガレージサイエンティストの時代から、途中で戦争の原爆製造研究に話が移ります。
プルトニウムって、あたりまえに元素表に入っているけれど、人間が原子爆弾を製造するために作ったものだったのか..。 それから、原子爆弾の研究には、ナチスドイツを追われたユダヤ系の科学者たちが大きな役割を果たしていたのと、戦時中のアメリカやイギリスでは、ナチスドイツでは原子爆弾をすでに造っているのではないか... という疑心暗鬼が開発の大きな原動力だったというのが、それが日本に落とされたというのが、おおきな歴史上の皮肉というか、悲劇だったということがわかった。