ちょっと前に読んだ本

ヒトはどうして死ぬのか―死の遺伝子の謎 (幻冬舎新書)
 ヒトはどうして死ぬのか / 田沼 靖一





人はどうして死ぬのか … それは老化した遺伝子とか、傷ついた遺伝子を消去するため。というと身もふたもないですね。細胞レベルでは、壊死(ネクローシス)とアポトーシス(自死)とアポビオーシス(寿命死)と3つも死が用意されていて、それは、個体の維持や成長のためには必要なことで、それのスーパーセットが、ヒトの種に対しての個体の死になっている … と説く。それと、生命の歴史のなかで個体の死が現れたのは、有性生殖をするようになってとのこと。きっとどんなに苛酷なことがあっても、有性生殖と個体の死で種としては対応できるし、してきたんだろうなあと思わせられる。

しかしがんになったら、人類のためだ、死んでほしいといわれても、個人的には納得できないよねえ。そういう、個人の感情レベルと、生物全体としての必要性のレベルとはきっと一致しないんだろう。それは極端な話ではある。

しかしがんの話の怖いところは、がんにならなくても人はいつか死ぬということをセットで連れてくることだと思う。普段は意識していないことなのに。でも、まあ、死ぬ日までは生きていようと思った。