コミック版がでましたよ


新世紀エヴァンゲリオン 12 (角川コミックス・エース 12-12)




新世紀エヴァンゲリオン 12 / 貞本義行






戦自がネルフに侵攻してきたところで3年くらい止まってたコミック版の新刊がでました。ここから一気に殺伐としますよね。この話。しかしシンジくんはこの間ずっとネルフの片隅で怯えていたかと思うとかわいそうな気がします。たとえば新劇場版で2代目のシンジくんがけっこう楽しんでる間(綾波に味噌汁を配ったり、ポカポカするとか言われたり)、初代のシンジくんはずっとここにいたというか、そんな感じ。


ところで子どもが大人になる時に、高い壁があって、それを超えようとする時に世界の成り立ちや枠組みが一度壊れる感じなのだと思います。ネルフ侵攻とかサードインパクトってまさにこれで、内的世界の出来事がそのまま外的に現れてしまうのがセカイ系たるゆえんなのだなあと思う。


しかしゲンドウ強い。ATフィールドいいなあ。
彼の心の閉ざしっぷりがいいですね。世界を巻き込まないで、もっとローカルにやって欲しいという気もするけど。ゲンドウいいです。


ミサトがりりしいです。アスカが痛々しいです。狂った設定の中で子どもたちが痛々しいんですよね。この話。
次回は多分サードインパクトですね。心して見届けましょう。*1

*1:カタストロフまんがといって思い出すのは、デビルマン(コミック版)の最後の方。。 あれはなんというか。

依存


王国〈その2〉痛み、失われたものの影、そして魔法 (新潮文庫)


王国 その2 痛み、失われたものの影、そして魔法
/ よしもとばなな








王国のその2です。


最近1日にコーヒーを4、5杯(レギュラーの自販機で)は飲んでいて、あるきっかけでそれをやめたら、毎日 夜11時には眠くなるようになって、そうかコーヒーは強いんだな、それにしても身体は素直なんだなと思った。


それでこの話を読んで、雫石が福引でもらったテレビにはまっていくところで、最初は楽しみなのにどんどん依存していってしまうというのに、そうかととてもうなずけた。


でコーヒーを自分で淹れるのって、一種儀式だから一日にそんなに何杯も飲んだりしないけれど、自販機だと気軽にがんがん飲んでしまうので、やめたほうがいいなあと思った。


1巻でこの話は寓話みたいなものと言っていたが、金に取り込まれてしまう人と、TVに取り込まれてしまう雫石が同じ構造として描かれていて、それって、1巻で下界からやってきた、金々言っている人々と、山の上で暮らしていて彼らを軽蔑している雫石が対立項として描かれていたことが伏線だったんだなと思うと、本当にプロの技というか、一本入ったという気がします。


あと、片岡さんはいいですね。

伊豆はいいですね

王国〈その1〉アンドロメダ・ハイツ (新潮文庫)

王国〈その1〉アンドロメダ・ハイツ (新潮文庫)

よしもとばななさんの王国、書店で見たら3巻まで文庫で出てて、1巻のアンドロメダハイツを買いました。最初アルゼンチンババアかと思って、それなら読んだよなあと思ったのですが、違うことを確認して買ったのでした。しかしそれでも読み進むうちに既読感が。家人に言ったら以前単行本を持っていて、うちにもあったそうです。そうか。

これは、私と楓をめぐる、長く、くだらなく、なんということのない物語のはじまりだ。童話より幼く、寓話にしては教訓が得られない。愚かな人間の営みと、おかしな角度から見たこの世界と。
つまりはちょっとゆがんだおとぎ話だ。
それでもそういう話の中にはちょっといいところがある。

そうそう、こういう文章見ると、素直にいいなと思う。なんということのない話で寓話というほど作為的でもなく、それでちょっといいというのがすごくいいと思う。*1


お話は、この世界で自分をつぶさずに生きていくにはみたいなことがそれとなく書かれていて、良かったです。
ワインをあたためて、蜂蜜と丁字(スパイス)を入れてというの、ちょっとやってみたい。



後は蛇足です...  orz
ところで、よしもとばななさんの小説といえばちょっと不幸な環境で育った女の子と、似たもの同士の男がであって自分たち特別だからみたいな話に、そういうのはもういいよ!と思ったことがあった。とかげくらいがその路線のピークだと思ってて、その後は意図的に距離を置いてたと思う。
主人公にどうしても感情移入できない。

でもそのうち、作者も感情移入なんてしてないなと思った。それどころか、作中の人物はそういう人なんだからそういうように書いてるんだなと思った。なんでか怪しいけどとにかくそう思った。

こんなに感覚的ですらすら書いたような(感じに見える)一人称なんだけど、実態としてあるのは三人称なんだなと思った。そんなの聞いたことないけど、すごい超絶技巧で書いてるんだなと思った。
それから読めるようになったというか、好きになった。だから、以前好きだったけど今はちょっと.. という人がいたら、また読んでみるといいと思う。

*1:英語だとpretty goodみたいな。

心の移動

OZ

OZ

ozです。最近またよく聴いています。100sというと、なんとなく仲良しバンド的なイメージで語られることが多かったと思うけど、それとはうらはらな、なんかものすごい、サウンドが重くてアルバム全体がわかりにくい感じがあった。でもフラワーロードを経た後にあらためてこれ聴くと、なんかぜんぜん変わってなかったんだなと思う。


オズの魔法使いといえば、ドロシーが仲間を得て旅をする冒険譚がメインのストーリーで、それは1人だった中村くんが、100sという仲間を得てバンド活動をすることにつながるんだけど、もう一つのストーリーは、最強の魔法使いとしてエメラルドシティの宮殿に閉じこもり、誰にも姿を見せなかったオズ大王が開放され帰ってゆくことだと思う。そしてそれは言うまでもなく中村くんの姿に重なるわけで。
つまりozというアルバムは、初めからこの2面性を持って作られていたので、前者の明るいイメージだけで聴いていても、なんか重くてよくわからないというのも当然だったと思う。


「ここが果てなら」 世界の果て=江戸川まで来て死んでもいいんだと思う。=消極的な死 から
「Honeycom.ware」 心生きるのなら死(に)な=積極的な死
を経て
「扉の向こうに」での再生まで。ここで蹴り上げているのは、状況が裂いた部屋の扉でしょう。
ここまでの距離と時間と心の移動を思う。


ところで最近知ったんですが、中村くん名義の曲「キャノンボール」で、
  そこで愛が待つゆえに 愛が待つゆえに 僕は行く
のコーラス部分が、
  そこで愛が待つゆえに(嘘でも)愛が待つゆえに 僕は行く
なんですよね。
前者と後者がまさにoz的な二面性を持ってると思います。100sって初めからこういうバンドだったんだね。

同情と 嘘に慣れた 世界はもうやめよう
うん そして始めから やり直せばいい
        扉の向こうに / 100s







SL300RT*




<付記>
ということを思ったのは、「フラワーロード」を聴いたからなのでした。あ、まだこの世界はあるのだなと。だって「魔法を信じ続けているかい?」だもんね。「oz」が複合的な名盤だとすれば、「ALL!!!!!!」はドロシー方向に、「フラワーロード」はオズ方向に振り切ったアルバムなのだと思います。

ALL!!!!!! (DVD付)

ALL!!!!!! (DVD付)


というわけでALLとか聴きなおしています。良いです。

excite music

excite musicでブリリアントグリーンのインタビュー記事が! リーダー氏は2人からシュンちゃんて呼ばれてるのね。トミーがウインターアルバムの頃ハリーポッターにはまっていたのですが、今またハリーポッターのサントラに言及してるのが本当に好きな感じでいいなと思った。
http://ent2.excite.co.jp/music/interview/2010/thebrilliantgreen/interview01.html

夏への扉

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

ちょっと大きい文庫サイズで出ていて読んでみた。コールドスリーパー(冬眠者)はタイムトラベラー(時間旅行者)なのね。昔のアメリカの感じが出ていてとてもよかった。
でもってタイムマシンと冷蔵庫は、好きな人との年齢を縮めるロマンチックな機械ですらあったのか。ロ○コンとも言うけど。

Like Yesterday

Like Yesterday / the brilliant green
itunes で出てるよと家人に言われ D/L しました。いい曲。
久しぶりの新曲です。よかったですね。そして曲はというと、これ以上ないってくらいのブリグリ節です。ボーカルに絡むギターとか(結構好き)、歌い方とか、トミーの詞世界とか。全般的に stand by me の方向性かな。CDも楽しみ。
http://itunes.apple.com/jp/album/like-yesterday-single/id352705805