依存


王国〈その2〉痛み、失われたものの影、そして魔法 (新潮文庫)


王国 その2 痛み、失われたものの影、そして魔法
/ よしもとばなな








王国のその2です。


最近1日にコーヒーを4、5杯(レギュラーの自販機で)は飲んでいて、あるきっかけでそれをやめたら、毎日 夜11時には眠くなるようになって、そうかコーヒーは強いんだな、それにしても身体は素直なんだなと思った。


それでこの話を読んで、雫石が福引でもらったテレビにはまっていくところで、最初は楽しみなのにどんどん依存していってしまうというのに、そうかととてもうなずけた。


でコーヒーを自分で淹れるのって、一種儀式だから一日にそんなに何杯も飲んだりしないけれど、自販機だと気軽にがんがん飲んでしまうので、やめたほうがいいなあと思った。


1巻でこの話は寓話みたいなものと言っていたが、金に取り込まれてしまう人と、TVに取り込まれてしまう雫石が同じ構造として描かれていて、それって、1巻で下界からやってきた、金々言っている人々と、山の上で暮らしていて彼らを軽蔑している雫石が対立項として描かれていたことが伏線だったんだなと思うと、本当にプロの技というか、一本入ったという気がします。


あと、片岡さんはいいですね。